2009年8月31日月曜日

ストレスとライフハック ~名古屋ライフハック研究会Vol4に参加してきました~


名古屋ライフハック研究会Vol4に参加してきました。佐々木正悟さんをお招きした「マインドハック」がテーマです。話は盛りだくさんなので、詳細は他のブログに譲るとして、ボクの感じたことを書いてみます。


ストレスは悪か?
ライフハックってのは、「ストレスフリー」という名を持つ書籍が出ていることからも、ストレスなくタスクを遂行していくことが目的であり、そのための手段 を考えていくことだと思っていました。しかし、それは本当なのか?と考えさせられる話がありました。佐々木さんは、「目の前にあるからといって覚えている とは限らない」というフレーズを出してきました。つまり、目の前にあるからといってそれを把握しているとは限らないということ、、、この話を聞いて、個人 的に思い当たることがありました。前回の記事で書いたように、トリプルディスプレイ環境により、ボクはTODOやスケジュールを、常時ディスプレイ上で開 いておくことが可能になりました。じゃあそれで、ボクはスケジュールやタスクをもれなく把握して、仕事をスムーズにこなしているか?といえばそんなことは ありません。先週、金曜日に提出しなければならない原稿があり、カレンダーにも期限として書いていたのに、ボクは「来週の月曜日に締切がある」と思い込ん でいました。これはまさに、「目の前にあるからといって覚えている(把握してる)とは限らない」ということ。もちろん「ストレスフリー」を目指すことじた いは間違ってはいないと思いますが、いき過ぎた状態もまずいという話です。ストレスは必ずしも悪ではなく、ある程度ストレスがあるほうが、うまく機能する ことがあるということです。

教育も同じ
大学人として感じたことですが、この話って教育も同じなんですよね。「良い教育」を論じる際、「わかりやすく教えること」というのが挙がってきます。これ じたいは間違いではありませんが、「わかりやすすぎる」というのは、必ずしもよい教育効果でるとは限らないという面も持っています。たとえば、パワーポイ ントを使った授業というのは、昔は積極的に使うことが奨励されていましたが、今はその教育効果に疑問を持っている人は少なくありません。よく、「パワーポ イントの授業ってのは目から入って頭の後ろから抜けていく」といいます。パワーポイントを使うと非常にきれいに資料を提示することができます。アニメー ション効果を使えばさらにわかりやすくなります。でも、講義が終わると「あー、面白かった、、、で、この授業なんだったっけ?」という感じになります。授 業というのは、あまりわかりやすくすると頭に残らないのです。僕らが学生の頃は、「ぼそぼそしゃべって、黒板に書く字も汚い」という、今なら「とんでもな い先生」のレッテルをはられたであろう先生が多くいましたが、かえってそういうほうが必死になって聞くもんです。だから今でも習ったことが頭に残っていた りします。


振り子のように生きる
ストレスはありすぎてもいけないが、なさ過ぎてもいけない。つまり中間にいるのがちょうどいいわけですが、これは言うのは簡単、実行は難しい。佐々木さん もそのような中間的な状態を維持することは難しく、振り子のようにいったりきたりするのがいいとおっしゃってました。これは個人的にハッとする話でした。 僕も、「何事も中庸が一番だけど、それはなかなか難しい」ということを、なんとなく感じていたわけですが、どちらかというとその難しさを理解しつつも、な んとかして中庸になることを目指していた気がします。佐々木さんの話は、「いったりきたりしたらいいじゃん。人間だもの」っていう感じに、肩の力を抜けさ せてくれるような気がしました。


おまけ:LTもしてきました
今回もおバカなLTをやってしまいましたが、練習不足でうまく話せなくて個人的には大反省です。って、いうか、今回のネタは実は作ってる自分が大笑いして いる状態でして、笑わずプレゼンできるようにするので必死でした。(正直、自分だけウケて、みんなが興ざめしてしないか心配でした、、)次回はちゃんとプ レゼンします。ただ、次回の名古屋ライフハック研究会のテーマは「コミュニケーション」なわけで、この「お題」はLTするにはちと厳しい、、、、

目標まであと70日分

2009年8月23日日曜日

トリプルディスプレイで快適デスクトップ

Generic PC
※本記事は、名古屋ライフハック研究会Vol.3のLTで発表したネタです。

ディスプレイが大きくなれば、PCでの作業はよりしやすくなる、、、そんなふうに思っている人は多いと 思います。ITの普及でペーパーレス時代といわれながら、職場は紙であふれているのはなぜか?それは、ディスプレイに比べて紙のほう視野がはるかに広いか ら。だから、アナログに勝つるためにはディスプレイを大きくする必要がある、、、そんな信念のもと、僕自身、15インチ→17インチ→19イン チ→22インチ→24インチというふうにディスプレイサイズを広げ、そして、デュアルディスプレイ、トリプルディスプレイへと理想のデスクトップ環境を追求し続けています。今日は、そんな試行錯誤の中で感じた、ディスプレイと作業スタイルの関係について書いてみます。


サイズはあまり関係ない?
ディスプレイを広くすることで個人的に期待 していたのは、例えばプログラミングをしながら、ネットの参考サイトを閲覧する、、、といった並列に情報にAccessすること。しかし、24 インチまでサイズを上げていく過程では、実はさほど作業効率が上がった実感がありませんでした。自分のデスク トップの使い方を振り返ってみると、ディスプレイが大きくなってもデスクトップでの作業スタイルがほとんど変わっていない。ディスプレイのなかで、手前に 表示されているのは一つのソフトだけ。24インチくらいになってくると、二つのソフトを並べて表示する事は可能ですが、そういう使い方をしていない自分が いました。おそらく、30インチディスプレイを買ったとしても、このスタイルは変わらないのではないか?そんな気がしました。

デュアルディスプレイの威力
そ んな訳で、二年前、もう一台24インチディスプレイを購入し、デュアルディスプレイを実現しました。この時、劇的に作業スタイルが変わりました。これは単 純にディスプレイの領域が広くなったということでだけではなく、ディスプレイが二つに分かれる事に意義があるようです。つまり、ディスプレイが2つになる ことで、作業領域が明示的に2つになり、二つのソフトを並行して閲覧することが自然な行為となりました。おそらくこれは小さいサイズのディスプレイでも同 じだと思います。大切なのは広さではなく分かれること。つまり、24インチディスプレイを1台買うよりも、17インチディスプレイを2台買ってデュアルに したほうが、並列的に作業を行え、快適なデスクトップを実現できる、、、そんな気がします。

そしてトリプルディスプレイへ
デュア ルディスプレイはかなり快適でしたが、1点だけ不満を感じていました。それはどのように配置するかです。目の前に並べておいた場合には、真ん中にディスプ レイの境界が来ます。よって、視線がかならず斜めになっているということ。慣れれば気にならないレベルですが、それでもちょっと違和感を感じていました。 24インチディスプレイも5万円台を下回るようになりましたから、そしてついに、トリプルディスプレイ(24インチ×3台)に手を出すことにしました。トリプルにすると、左右 ならびに中央とディスプレイを配置することができます。実際にやってみるとこれが想像以上に快適。正面にディスプレイがあるというのはとても自然であり、デュアルの時より没 入感が高いことに気付きます。なお、僕の場合、
左・・・Googleカレンダー+gMailTask
右・・・メール+Twitter
と いう配置をデフォルトとし、中央に現在作業中のソフトを配置します。もちろん各ディスプレイにおいて、ソフトのウィンドウサイズは最大化しています。メー ルを作業する際には場合によってはメールを中央に持ってくることもあります。ようはなるべく正面を向くように適時ソフトを配置するようにしています。以下の写真は、僕の職場のデスクトップの様子です。ちょっと映りが暗いですが、3つとも24インチディスプレイです。




なお、トリプルにするには、ビデオカードを追加することで簡単に実現できます。

おまけ:トラックボールマウス
広大なデスクトップ 空間には、トラックボールマウスがお勧めです。通常のマウスだと右から左へ移動させたりするときに、マウスを何回も動かす必要があります。僕みたいに机の 上がゴミであふれかえっている時は、広いマウス領域を確保することは困難です。トラックボールマウスだと、マウス自体を動かす必要はありません。僕が使っているのはロジクールのTrackMan Wheelです。



加速をつけて親指で動かすと、ウィンドウがヒュンヒュン移動します。

以上、トリプルディスプレイについて紹介しました。なお、僕的にはこれ(トリプル)が終着点かな~という気がしてますが、ネットをググればトリプル以上のディスプレイを実現している猛者の方はたくさんおられます。興味がある方はいろいろ調べてみてください。

目標まであと71日分

2009年8月6日木曜日

gMailTasksでタスク消化を加速する

Remember Icon

2009年4月22日の記事(gMailTaskを導入しよう)では、gMailTaskについて紹介しました。僕自身、リスト形式のタスク管理がキライだというのがあります。そんな僕がなぜgMailTasksを使っているのか?今日はそのことについてお話しします。


タスクの粒度を小さくする
ライフハック界隈でさんざん言われていることですが、タスク管理ならびにタスク遂行のコツは、タスクの粒度を小さくすることです。論文を書くという目標があれば、論文を書く というTODOを設定するのではなく、骨子を書くとか、資料を探す、、、など、目標までの手順を明らかにして、タスクの粒度を小さくしていきます。これは、
  • 何からとりかかればいいのかわからない時
  • 取りかかるモチベーションが上がらない時
に有効です。特に僕は後者の状況が多いです。はやくやらなきゃいけないタスクがある、、、それでも何故かとりかかれない、、、っていう嫌なタスクってありま すよね。理由はいろいろあるんだけど、とにかく何故かとりかかるモチベーションがあがらない。そんな時、僕は、タスクを極限まで下げていきます。例えば、 資料を提出しなければならないのに、まだ一行も手をつけてない時、、、極端な時は、Wordを起動する、ファイルを作成する、名前を書くとか、それくらい のレベルに落とします。

gMailTasksの活用
僕 は基本的に、TODO管理はGoogleカレンダーでやってます。この方法の欠点は、タスクが多くなり過ぎると、カレンダーがすごいことになるというこ と。タスクの粒度を小さくし過ぎると、カレンダーがTODOに埋もれてしまいます。そんな小さなタスクの管理には、gMailTasksがフィットしま す。
gMailTasksの最大の利点は、タスクを階層化して管理できることです(tabキーを押すと階層が1つ下がります)。最初に設定した タスクの粒度が遂行するには大きかった場合、それってなに?どうすること?というふうに自問自答していきます。そこででてきたタスクは、サブタスクとして 階層を下げて書いていきます。もし、そのサブタスクの粒度がまだ大きかったら?同様に粒度を小さくし、サブサブタスクとして設定できます。これはあまり注 目されていないようですが、個人的にはありがたい機能です。とくに、モチベーションのあがらない時は、それってなに?どうすること?と、とことん粒度を小 さくしていきます。そうすることで、モチベーションのあがらない時でも、なんとか手をつけることができます。一度手をつければ、慣性の法則が働いてスイス イと作業が進むものです。


いわゆるDoingリストとしてのgMailTasks
あれ?おちくんは、Googleカレンダーで TODO管理してるのではなかったの?と思われる方もいると思いますが、当然、TODO管理はGoogleカレンダーです。じゃあ、2つのTODO管理シ ステムが並行しているのか、、、といえばちょっと位置づけが違うんですよね。粒度が小さくなったタスクのリストというのは、タスクリストではなく、いわゆ るDoingリストと言えるでしょう。Lifehacking.jpの「ゆっくりと動きながら高速でこなす、一流の研究者の Doing リスト」でも書かれていることですね。gMailTasksというのは、使ってみればわかりますが、とても軽量です。さらに、前記事:gMailTask を導入しようでも紹介したように、サイドバーにいれると非常に使いやすくなり、思い立ったら即書き込むことができます。僕の中ではちょっとしたメモ書きス ペースにもなっています。

以上、タスク消化を加速するツールとしてgMailTasksの活用のお話をしました。皆さんも試してみてはいかがでしょうか?

目標まであと72日分

2009年8月5日水曜日

カウントダウンクロックで、朝の時間との戦いに終止符を打つ

6月にあった名古屋ライフハック研究会での、シゴタノの大橋さんの講演で話題にあがったセガトイズのモーニングカウントダウンクロック。実は、この話を聞いたあと、購入しました。これは出発時刻を設定すると、一時間前からカウントダウン開始。「一時間前です、30分前です、15分前です、、、」とアナウンスがはいり、どんどん間隔が短くなっていき、最後は、10秒前からカウントダウンで、「3,2,1、いってらっしゃい!」と声をかけてくれます。

朝は時間との戦いである
朝の出勤までの時間は、顔を洗う、朝食をとる、トイレに行く、新聞を読む、身だ しなみをする、、、などたくさんのタスクがあります。ライフハック的にはルーチンを確立させておくことがベストソリューションでしょう。しかしながら、我 が家の朝は大人の都合(笑)でいつも不定期。なかなかルーチン化することは難しいという現状があります。ただ、子供は定刻に家を出て友達と一緒に通学することになっているので、子供が家を出るのを遅れないようにすることは、最優先になっています。
 「◯時に出発」というスケジュールがぶらさがっていると、時計をたえず気にしておく必要があります。単純に「◯時まで何か一つのことをする」というのであれば、通常のタイマーでよいと思います。しかし、スケジュールとタスクが異なる場合はそうはいきません。また、タスクが複数あるのであれば、状況に応じてやれるタスクからやっていくという戦略にならざるを得ません。ここで問題なのは、何かに集中してしまうとまずいということ。うちの子供の場合、時間に余裕があれば、ピアノの練習や勉強をさせるようにしています。しかしそれは、時間を有効に使うためにやっているオプションです。一番の目的は「◯時に家を出る」というスケジュールですから、オプションに気をとられて時間が過ぎてしまうのは大問題です。ですから、タスクをやりながら定刻に家を出られるように時計を確認するという意識の分散が必要です。これを小学生の子供にやらせるのは難しい(うちの子が苦手なだけかもしれませんが)。よって我が家では、親が注意を払っているわけですが、親も通勤に向けてやることがあるわけで、ついうっかり、、、というケースも時々あります。このように、朝は時計とにらめっこしていたわけです。カウントダウンクロックに出会うまでは、、、、

時間管理から解放される
そんな我が家に救世主が現れました。冒頭でも書いたカウントダウンクロックです。このおかげで、時計を確認するというメタタスクから脳を解放できました。とくに「あと◯分です」というコールは思った以上の効果があります。残り時間というのは、今のタスクを続けるべきか、他のタスクに切り替えるべきか、、、という判断材料になります。「30分前なら、まだ今のタスクを続けてもいいかな?」「15分前ならそろそろやめて、残りのタスクをすませようか、、、」といったことを考えることができます。娘もこのことに気づいているのか、自然と残り時間にあったタスクをやるようになってきています。またこのことは、時間を気にすることなく、他の仕事に集中できるという効果を生み出します。このタイマーがない場合、◯時に出発するというスケジュールを守るために、他のタスクに集中することが難しかったと も言えます。でも、意識を分散する必要はないのです。一つの仕事に没頭することができるのです。


思った以上の効果があるこのカウントダウンクロック。カウントダウンクロックというのは、PC上でもいくつかあるようで、個人的には通常の仕事でも活用できないか検討中です。とくに、単純に視覚的にカウント ダウンするのではなくて、音声で途中の時間を知らせてくれる、、、というのは、ライフハック的になにか特筆すべき効果があるような気がしてなりません。ニーズは間違いなく高いと思います。販売元は、セガトイズですので、おもちゃの部類に入るんですかね?おもちゃというにはあまりにももったいないライフハックツールです。皆さんもぜひお試しください。

目標まであと73日分

2009年8月2日日曜日

アウトプットすることの意義を再確認する

Pen & paper

仕事に追われてすっかりペースダウンしている本ブログですが、今日は、アカデミック系(大学・研究系)の話をネタにして、アウトプットすることの意義を再確認しようと思います。なお、研究分野によっては、研究の捉え方がちがいますので、その点はご注意ください。

ラ イフハック系の集まりとか書籍では、よくアウトプットが大切って言われてます。こういう話は、アカデミックな世界でも同じで、僕は学生時代から、「パブ リッシュしろ(論文をかけ)」と、耳にタコができるほどよく指導教員に言われてました。アカデミックの世界では、パブリッシュするというのは、「論文」と 「学会等の口頭発表(予稿)」の2つの手段がメインになります。論文というのは、研究業績として確実にカウントできる成果物です。成果はもちろんのこと、 きちんとした文章でないと採録されません。一方、口頭発表予稿は、一般には誰でも書けて発表できるので、通常は業績としてカウントされません。業績的に口 頭発表の予稿はあまり価値がないわけで、こういった背景から、口頭発表に時間を割く暇があったら論文を、、、という意識が自分の中にありますし、そう思っ ている人も少なくないと思います。でも本当に価値がないのでしょうか?

自己ブランド化につながる
「あなたは誰ですか?何してるん ですか?」学会等で初めての人に出会ったとき、こういう事を聞かれます(もちろん言い方は違いますけどね)。あと、「おち先生、最近はなになってるんです か?」とか、、、また、研究の話で自分と同じこと(似たようなこと)をやってる人にも出会ったりします。こういう時、「実は、私は~の研究をしてまし て、、、」って言えばいいんで すが、発表(パブリッシュ)してないとそれがいいずらい。どこかで発表してれば、たとえ口頭発表でも「~の研究してます。○○学会でも発表してますんで、 興味があれば、、、」みたいに言えるんですがね。やはり、パブリッシュしたものがないと、その言葉に説得力がないなーって思ってます。実際、第三者からす れば、「(未発表だけど)実は~をやっている」なんてフレーズは全く価値がない。例えば、ある研究分野に長けている人を紹介する際でも、パブリッシュした ものがその人を紹介する根拠になります。極端に言えば、「発表=パブリッシュしてないというのは、やってないと同義だ」といってもいいでしょう。
特 に今の職場に移ってからは、これをかなり意識し始めました。というのも、今は以前の職場にいたときと全く違う研究テーマに取り組んでいるわけですが、対外 的になかなか以前の研究テーマのイメージを払しょくできませんでした。これはなんか気持ちのいいものではないですね(別に以前のテーマが嫌いというのでは なく)。なんというか、何か今の自分を正当に見てもらえてないというか、、、、まあそれは、僕がそのテーマについてパブリッシュできてなかったわけですから、当たり前のことなんですけどね。
別に論文じゃなくてもいい。なんでもいいから発表しておかないと、「研究者として、あなた何者?」と言われた時の、自分のイメージと周りの自分に対するイ メージにギャップが生まれる状況になってしまいます。そんなわけで、僕は極力どこかで発表しておくようにして、最近ようやく過去の自分を抜け出してきたか なというような気がしてます。

屑も積もれば宝となる
数年前まで同じ大学にいる某著名な先生と共同研究する機会がありました。その 先生は世界でオンリーワンかつナンバーワンの技術を持っている人なんですが、いろいろ学ぶ点が多かったです。その先生の言ってたことで印象に残っているの は、「屑論文でいいから書いとけ。チラシの裏紙に書いたメモ書き程度でもいい。まさにペーパーだよ(論文という意味でも普段使われる)。でもそれが積み重 なって、大きい成果が出てくるんだから、、、」という話。目から鱗でしたね(僕自身には)。ライフハック系の話で、「大きいタスクは小さいタスクにわけて 処理せよ」というのがありますが、それと似ているかもしれません。
ただ、この話は実は簡単なようで難しい要因があります。「大きな成果は屑が積み 重なって生み出される」、、、それはわかります。しかし、ただやみくもに屑を書いていけばいいのではありません。ゴール(大きな成果)につながる屑でなけ ればなりません。これを「研究」でやれというのは、凡人の僕にはちょっと難易度が高いですね。

書くことで見えてくる
最近はどこの 大学でも外部資金獲得が重要視されています。それは個人レベルのものもあれば、組織的にやらなければならないレベルのものもあります。後者について、私の いる組織でも、当然重要要件となっていますが、上部の人がとても印象的な話をされたことがあります。普通、外部資金獲得という目的があれば、「いかに獲得 するか、、」という点に目を奪われがちですが、その方は違いました。「予算獲得できるかどうか、それは正直難しいのが現状でしょう。しかし、その可能性は ともかく、まずは申請しましょう。申請書類を書いていくことで、我々がやっていること、取り組んでいることを見つめなおすことができ、長所・短所が見えて きます。そしてそれが将来へとつながるわけですから、、、」うるおぼえですが、こんな感じの意図をはなしてました。
僕自身は、ダメだとわかってい るものはなかなか書けないタイプです。書いても無駄、時間がもったないと思ってしまいます。でも、確かに何もしなければ現状認識はできませんから、次にす すめません。申請書のような書類書きは、個人的には非クリエイティブなものだと思っていたのですが、それを前向きに考えることができるこの人の発言は、ま さに目から鱗でした。

以上、アカデミック系の話をネタに、アウトプットすることの意義を再確認してみました。この話は、ブログの執筆でも 共通することだろうなと感じてます。時間がない、、とか、いいネタ書かなきゃ、、、と思いとどまりがちですので、個人的には、この自分のブログをこれから も何度か読みなおして、研究やプライベート(ブログ)で活発にアウトプットできるよう、自分にハッパをかけようかと思います。

目標まで、あと74日分