2010年5月31日月曜日

プレゼンテーションツールとしてのiPad・ファーストインプレッション



先日につづいて、今日もiPadのネタです。iPadの発表以降、 「iPadはVGA出力ができる」「iWork for iPadがリリースされる」などの話を聞いて、「iPadはプレゼンテーション機器としてノートパソコンの代わりになるのではないか?」と、発売日まで妄想していました。で、幸いにも、VGAコネクターを発売日に手にいれることができたので、これは使ってみなきゃ、、、と思い、週末に準備をおこなってきたました。上記の写真はiPadのスライドを外部ディスプレイに投影しているわけですが、この状態にするまでに、いろいろ問題にぶつかりました。私は生粋のWindowsユーザですので、以下の内容にはひょっとすると勘違いしているところがあるかもしれません。そこで、なぜこのような考えに至ったのか試行錯誤の経過も書いていますので、ちょっと冗長な記事になっています。Windows ユーザとしての視点が多く入ってますので、Macな人にはあまり関係ないかもしれません。興味のある人はお付き合いください。

VGA出力可であるかどかはアプリによっ て異なる

事前に小耳に挟んでいたのでしってはいましたが、iPadのVGA出力はPCのそれとは異なり、VGA出力に対応したアプリの みが外部ディスプレイに出力することができるということです。VGAコネクタを接続しても、iPadのメニュー画面などは出力されません。これは、 iPadそのものをアピールする際に非常に残念なことですし、iPadでプレゼンをする際に大きな壁になってきます。

プレゼンテーションソフトウェア:Keynote
Macユーザなら知る人ぞ知るプレゼンターションソフトのKeynoteですが、そのiPad版がリリースされています。当初、当然、Keynoteは VGA出力に対応しているので、このKeynoteを使えばプレゼンテーションができるようになるんだなーと妄想してました。価格は1200円。この手の ソフトとしてはリーズナブルです。プレゼンテーションファイルの編集だけでなく、新規作成もできます。WindowsMobileだと、パワーポイントは ビュワー程度の機能しかなかったと思うので、それを考えると驚異的です。もうまさにノートパソコンいらないんじゃない?って感じです。ただ、所感として は、
  • タッチ操作なので、マウスのような細かいポインティングができずいらつくことがある。
  • VGA出力した際には、iPad側にはスライドは表示されない(下記の図)
といった点に問題を感じました。iPadだけで全てをやるというのはまだまだって感じです ね。下の図は、Keynote for iPadでプレゼンを開始した際のiPad側の画面です。外部ディスプレイにはスライドはちゃんと映ってますが、iPad側ではスライドが表示されず、このような残念な画面になってしまいます。





Keynote(iPad)へのスライドファイルの転送はどうするか?
USB経由でファイルを送ることがで きるようですが、やっぱりそういう古臭いことはしたくない。やっぱりネットワーク経由がいい。というわけで、とりあえず2つの方法を試行しました。
(1)iWork.com を利用する
アップルは、iWork.comというiWorkに特化したファイル共有サービスを始めており、これを使うことでiPadにデータを 送ることができる。。。というのを最初に知りました。が、しかし、このサービスを利用するためにはiWorkを買う必要があるらしい。。。ので買いましたよ。iWork!どんどんAppleの戦略に載せられている感じですが、これもiPadをフル活用するため、、、しかし、このサービスは
  • iWork.com へのファイル転送はiWorkからのみで、そこで共有操作をすることでサーバにアップされる
という制約があり、イマイチで す。つまり、PC(Windows)上にあるファイルを転送しようと思ったら、Macにファイルを転送し、Keynoteを起動させる必要があるというこ とです。実にめんどくさい。まあ、Macネイティブな人は、Keynoteをデフォで使っているでしょうから問題はないかと思いますが。あと、この手のク ラウドのサービスは、Mobileme同様、Appleは下手くそだな~って気がしました。
(2)DropBoxを利用する
実はこの方 法が正解でしょう。Dropbox for iPadをインストールすれば、手軽にファイルの転送(同期)ができ、DropBoxの機能を利用してパワーポイントファイルを見ることができます。ただし、上述で書いたようにVGA出力に対応していないとプレゼンでは使えません。残念なことDropBoxはVGA出力に対応してませんので、ここで見えたからといっても意味がないわけです。ところがなんと おどろくべき機能が。これはiPadの機能でしょうか?DropBox内にある「Open In」というメニューから、ファイルを他のアプリへ転送できるのです。パワーポイントファイルであれば、転送出来るアプリとして、Keynoteがリストアップされています。iPhoneではこんなことできなかったと思いますが。
まあ、そんなわけで、僕のパワーポイントの資産は、DropBox 経由でiPadに渡してKeynoteで開くことで使えると、、、めでたし、めでたし、、、、とはなりませんでした。


スライドのレイアウトがズレる
ずばり、フォントの問題です。ウィンドウズで作ったパワーポイントファイルのフォントと Keynote for iPadのフォントがあわないのです。これは、Mac版Keynoteでも起こりうる問題ですが、この場合は、両者で共通のフォントを使うようにすれば、 差異は軽減されると聞いています。しかし、今回の相手はiPadです。Keynote for iPadのフォントについては、Keynote for iPad:よくお問い合わせいただくご質問 (FAQ)に書かれている通り、フォントは限定されています。これではまずい。どうするか?解決策を 2つ試みました。
(1)Keynote for Macで修正する
せっかくMac持ってるのだからもうこれを機会に、Appleの軍門 に下るのも、、、と、試しに1ファイル分修正してみました。まあ、フォントやサイズなどを変えたり、レイアウトを修正するだけなのですが、僕自身 Windows歴が長いので、Macの使い方も慣れてないし、Keynoteも正直使い易いとは思えないし。ここまで時間と手間をかけてやる価値がある か?僕の答えはNoでした。
(2)フォントを統一する
対Macの場合は、類似するフォントを利用すれば解決するらしいですから、対 iPadでもその戦略で、、、といろいろやってみましたが、結局だめでした。どうやら、iPadは日本語を「ヒラギノ」を利用するらしく、どの日本語フォ ントを利用しても「ヒラギノ」に変換するようです。で、Windowsには「ヒラギノ」に類似するフォントが無い。お金をはらえばあるようですが、ちょっ と購入するかどうかはよく考えてみたいところです。

以上の結果、Keynoteを使うには、Macを利用して作り直す必要があるわけで、 ちょっと今の僕には難しいということがわかりました。

PDF+DropBox+Expeditionという解決策
僕の「iPadでクールにプレゼン」という妄想は妄想のままに終わりそうだったのですが、最後に一筋の光が見えてきました。まず、Keynoteはあきらめ、PDFを利用した表示に活路を見 出すことにしました。PDFにしておけば、レイアウトはずれることなく表示されます。ただし、PDFが表示されるだけではだめで、それがVGA出力に対応 しなければならないのです。現状で、VGA出力機能を持ったPDF表示アプリを探したところ、幾つかありましたが「Expedition」というアプリにたどり着きました。これ は、ブラウザをVGA出力するアプリですが、Mail.app、つまりメールにファイル添付して開く際に Expeditionに送ることで、PDFも含めた各種ファイルがVGAに表示出来るということがわかりました(Apple Storeの説明文に書いてましたから)。ただ、いちいちメールで送ってメールアプリを開いて添付ファイルを操作、、、ってなんかクールじゃないですよね。イマイチだなぁと思ったら、ここで再びDropBoxの奇跡が。なんと、Expeditionをインストールしたあと、DropBoxでPDFを開いて上述の「Open In」を選ぶと、「Expedition」がリストアップされているではないですか!まさに感動です。しかも、iPad側の画面もスライド(PDF)が表示されます。実は、本記事トップの写真はExpeditionを使って、外部ディスプレイに表示した例なのです。また、Keynoteと同様のレーザーポインター機能も存在します。これで、Windows上でパワーポイントファイル を作った後は、PDFに変換してDropBoxに保存、iPadのDropBoxでファイルを取り出し、Expentionで表示、、、という過去の資産(PPT)を活かしつつ、手軽にプレゼンの準備ができるようになりそうです。

なお、以下の図は、DropBoxのOpen Inメニューを呼び出した場合の例です。この例では、パワーポイントファイルを開いているのですが、KeynoteやGoodReader、Expeditionにファイルを送ることができます。この機能を有効に使うのが、iPadを使いこなす鍵になるかもしれません。


以上の話、Macな人は関係ないことだったかもしれませんが、 Windowsな人には、ちょっとしたヒントになったのではないでしょうか?今後も、もっと良い策があるかどうか探っていく予定です。

目標まであと42日分

1 件のコメント:

  1. しんりんです。ご無沙汰しております。
    iPadファーストインプレッションシリーズ、興味深く読んでます。
    プレゼンには特に興味ありました。なかなか大変そうですね。。。
    LTでぜひ実行してみてください!

    返信削除